奥多摩最奥の秘渓

6/12-13 延吉地獄と呼ばれる峡所ゴルジュと大滝

 奥多摩の最深部、日原川上流の長沢谷とその支流の日影谷は、数年前から天祖山登山口先の林道にゲートが設けられ、大雲取谷左岸の大ダワ林道が土砂崩れで通年通行止めとなっているので、アプローチも下山も長く、大雲取谷、唐松谷といった奥多摩でも人気の沢の陰に隠れてほとんど見向きもされない不遇な沢だ。ただ長沢谷は、大ダワ林道が渡るところから大滝までは平凡な沢床が続き、釣り人の入渓が多く、それが敬遠される理由のようだ。

2021年現在、長沢谷沿いの日原林道終点で工事が行われているので、当分の間入渓はできないが、工事が始まる前に入渓でき、下山に二軒小屋尾根を使えば、日帰りも可能だ。ただ二軒小屋尾根は広々とした尾根でところどころ二重山稜となっているので非常にわかりにくい。また熊の出没情報も多いので要注意だ。

林道終点の工事現場上の通らずは泳げば越せるが、この日は水温が低く、ナギの窪を少し上がり高巻く。以遠、長沢谷は平凡な沢床が大滝まで続く。

日影谷との出合は良いテント場だ。ここまで林道終点から約1時間25分ほど。長沢谷と日影谷との水量比は2:3。

日影谷の出合は、古い2.5万図と現在の2.5万図では違っているが、現在の地形図が合っているようだ。また滝ノ窪は、日影谷との出合下で出合っている。

 

長沢谷と日影谷を分けるP1263峰との鞍部。古い2.5万図は、ここと長沢谷が繋がっている。

 

 

 

 

すぐに現れる延吉地獄手前の5mほどの滝。滝は右の大岩壁の右側に懸かっている。左岸の垂直の壁側が登れるようだがホールドが細かく、岩もボロボロ、ヌメヌメなので、今回は時間短縮のため右岸から高巻く。尾根上にはわずかに踏み跡がある。

延吉地獄入口

延吉地獄出口の滝上から見た延吉地獄。距離的にはわずかで、滝といえる滝はないが、釜が深い。

延吉地獄からしばらくは平凡な沢床となる。倒木が目立つようになる。

アラメ窪との出合は倒木で埋まる。

アラメ窪との出合を過ぎ、本谷が大きく左に曲がるところに懸かる大滝。左の岩場から簡単に巻ける。

大滝の上

2.5万図「日影谷」の「日」の上岩記号入口に懸かる傾斜の強いナメ滝入口。滝壁はヌメヌメなので登攀は要注意。巻きは左岸。

滝上からは倒木の多いガレた沢床が延々と続くようになる。

Co1450二俣

標高1515m付近奥二俣。時間切れで左沢に入り二軒小屋尾根を目指す。

左沢は荒れた沢だが沢床がナメなので歩きやすい。途中6mほどの滝が懸かるが簡単に巻ける。

Co1730付近の開けた二軒小屋尾根に上がる。

二軒小屋尾根は開けたなだらかな尾根で二重山稜になっているところがあり、下降に使う場合は迷いやすく、熊の出没情報も多いので要注意だ。GPSで現在地を確認しながら下る。長沢谷の木橋まで約1時間45分。要所要所にピンクテープがある。