みちのくの奥深い沢を”沢から沢へ”
6/2-3 今年最初の東北の沢は「須金山塊・保呂内沢」
研究生、楽しむ会の今年最初の東北の沢は保呂内沢。V 字谷の雪渓処理を学んでもらうために年間計画でセットした沢だが、他の山域と同じように雪解けが進み、V 字谷の雪渓処理としては簡単なスノーブリッジ、雪渓が多かったが、保呂内沢上流部の穏やかな渓相と西ノ股沢のV字スラブと傾斜の強い大ナメ滝や連続するツルツルのスラブのナメ滝、同じ水系の渓相の違いに驚かれたものと思う。1泊2日で西ノ股沢を登り本流を下降するのは、足並みのそろったパーティ以外は難しいので、今回も2013年同様、保呂内沢を遡行し、西ノ股沢を下降するルートで実施する。
車の通れない荒れた林道を30分ほど歩いて保呂内沢へ
しばらくは、平瀬の続く穏やかな渓相だ。
右岸からきれいな滝を懸けると、沢幅が狭くなり、両岸スラブ壁となる。
沢床は平凡だが、雨が降ると一気に増水し、逃げ場がなくなるので天候は要注意だ。
西ノ股沢との出合までの間の通らず。
西ノ股沢との出合
保呂内沢本流は西ノ股沢出合を過ぎても平凡な渓相が続く。
保呂内沢上流部唯一の滝場
唯一の滝場を越えると奥の二又まで森の中をゆったりと流れる穏やかな渓相となる。
765m付近奥の二又。途中、伏流となるが740m付近から水が復活する。奥の二又付近は涸れている。
西ノ股沢の乗越鞍部(1000m付近)へは右沢を850m付近まで上がり、乗越へ向かって藪漕ぎをする。右沢は小滝だが滝場が連続する。
山猫森を水源とする西ノ股沢右沢は非常に急峻な沢だ。
懸垂下降を多用する。30mロープ2本を繋いでも一杯一杯のところがいくつか・・・。
奥二又でようやく谷が落ち着いてくる。
今度はツルツルの傾斜の強いスラブ状のナメ滝が次々と現れる。遡行する場合は、これらの滝を登らなければならない。
崩壊したスノーブリッジ
谷全体が、雪国独特のツルツルに磨かれたスラブ岩なので高巻きは厳しい。
崩落寸前のスノーブリッジは中を行くしかない。
ゴルジュ帯最後の滝も懸垂で・・・。
ゴルジュ帯を抜けると、地形図上の滝まで森の中を流れる穏やかな流れとなる。絶好のテント場が多いが、泊りの荷を背負って西ノ股沢のゴルジュを遡行するのは厳しい。
地形図上の滝の上。右岸に不明瞭ながら踏み跡があり、495m付近の本流まで続いている。ただ最近歩く人がほとんどおらず、踏み跡と思しきところを拾いながら歩くルートなので、山慣れた沢や限定のエスケープルートだ。