初めて鳥海山の沢へ

7/28-29 雪解け水が、豊富な鳥海山の沢を形作る

研究生、楽しむ会の講習で鳥海山の高瀬川檜ノ沢(ヒノソ)へ行く。予定では舟形の笹木沢だったが、台風の影響で天気が悪く、急遽、台風の影響を受けないと思われた鳥海山の沢へ行くことに。急な転進ということもあり、初めての山域の沢なので、日程的なことも考え、比較的登られている檜ノ沢(地元ではヒノソと呼ぶらしい)を万助小屋を起点に、その上流部を登る。ただ山域の沢の下見も兼ね、初日は南ノコマイ沢沿いの二の滝登山道を登り、2日目に檜ノ沢を登り、下山で万助道から檜ノ沢中流部を下見しながら車に戻る。台風を避けての転進にもかかわらず、台風の影響の強風が初日の夕方から日曜日にかけ吹き荒れ、沢の中でも時々立っていられないほど。それでも、沢自体は、非常に明るく、上流部は森林限界を超えた高山植物の咲く草原帯で雪渓もまだ多く残り、久しぶりに楽しい沢歩きが出来た。

鳥海の沢は、中流部はゴルジュが発達し、豊富な雪解け水が急流となって岩を磨き、沢床の浸食作用も顕著で、冷たい雪解け水と岩をも磨く激流に、沢を水線通しに遡行するのは非常に困難な印象を受けた。

二の滝登山道から見た南ノコマイ沢は水量が多く、激流が沢床の岩を磨き、とても遡行できそうに思えない。

二の滝登山道は、ブナ林の広がる非常に気持ちの良い道だ。

月山沢との出合上に懸る不動滝を登山道から遠望する。

登山道が月山沢を渡るところから月山沢上流を望む。月山沢は、登山道から見る限りゴーロの沢だ。

千畳ケ原。木道が続く。今年は花の時期が早かったようだ。

千畳ケ原から万助登山道の分岐へ向かう。左の雪渓の左端が仙人平だが、道が分かりにくい。

万助登山道はこの沢を少し下ったところにある。入口が分かりにくく、我々は少し行き過ぎてしまう。

日本海を望みながら万助登山道を今夜の宿万助小屋へ向かう。この登山道には、まだキスゲやチングルマが咲いているが、道があまり良くないので、ここの登山道を使う登山者は少ないようだ。

2日目は、万助小屋を少し下った所から檜ノ沢へ入渓する。

檜ノ沢上流部はゴーロの沢だ。

両岸は、すぐに樹林帯から森林限界を超えた低灌木と草原の広がる明るい沢となる。ただ強風の通り道となり、時々あおられる。

笙ガ岳を水源とする沢との出合。右が本谷。ここから地形図上のゴルジュ帯に入る。

ようやく出てきた滝らしい滝。左の壁を登れそうだが…。

上から覗き込むと、右壁は登れるようだ。この沢は、振り返ると遊佐町方面と日本海が眼下に見渡せる、非常に見晴らしの良い沢だ。

滝がいくつか出てくるが簡単に登れる滝ばかりだ。

周りの景色にマッチした滝が多い。

最後の滝

最後の滝を越えるとゴーロの谷となる。ただ、つらいゴーロ歩きも周りの景色に癒される。

右岸に残る雪渓から流れ下るいく筋もの雪解け水が、沢となって本谷に流れ落ちる。遅くまで残る豊富な雪渓が、鳥海山の沢を形作っているようだ。

源頭部にも雪渓が多く現れるようになる。

雪渓に埋まる源頭部

長坂道と吹浦口との分岐付近から流れ下る沢が檜ノ沢の水源となっているようだ。この出合で本谷の水は枯れる。

鍋森下の地形図上の池

ようやく、鳥海湖下の登山道に出る。ここから鳥海山へ登る予定でいたが、強風が吹き荒れ断念する。