笛吹川水系穴場の沢

6/12 知られざる笛吹川水系穴場の沢は意外ときれいな沢だった

 西沢渓谷周辺のメジャーな沢に隠れて、笛吹川中流部左岸の沢は、ガイドブックで紹介されることもなく、ほとんど沢登りで訪れる人もいない沢が多いが、昔、奥秩父源流部遡行の下山で使っていた新地平のバス停近くにある谷渡川は、機会があれば登ってみたいと思っていた沢だ。今回は、毛猛前衛の沢が天候が悪く急遽中止となり、その代替えの沢として思いついた沢だ。あまり沢登りで入渓する人はいないようで、ネットで調べても遡行の記録は少ない。

 この沢は、2.5万図では林道がかなり奥まで記されてはいるが、入口から車は入れず、荒れ放題。地形図上の林道も、道型が対岸に渡るところまで。以遠は、踏み跡程度だがCo1420付近まで続いている。沢床はザレた花崗岩の沢床で、ところどころナメとナメ滝の続くきれいな沢だが、倒木が多いのが欠点だ。Co1500付近で水量の多い支沢を入れると10m前後の滝がいくつか出てくる。特に、Co1750付近に懸る大滝の登攀がこの沢のポイントのようだ。塾の講習会では、前夜発以外ではどうしても入渓が遅くなってしまうので、今回も大滝登攀に時間が掛かり、Co1760付近で時間切れとなり、右岸枝沢から右岸尾根にあがり、右岸尾根を地図読みしながら久渡沢橋付近の国道に出る。この尾根は下草のない歩きやすい尾根だが、地図読みが難しい。

現在の林道終点付近。最終堰堤

地形図上の林道終点先にある車の残骸。この先で、いったん踏み跡がなくなる。

踏み跡がなくなったところから遡行を始めるが、この上のナメ滝を上がったところの右岸に、また林道跡と思われるところに踏み跡が現れる。下流にあった車の残骸は、この林道跡からのものなのか?

標高1425付近左岸枝沢の出合うところまで踏み跡が続く。降りたところに2つに分かれた小滝が懸かる。

Co1500付近左岸支沢との出合までに大きなナメ滝が2つ懸かる

Co1500付近左岸支沢との出合(3:2)

 

 

 

 

 

 

本谷には10m前後の滝が出てくる。この滝は、正面から見ると階段状の滝なので簡単だ。

 

この付近はU字谷となっており、登れない滝が出てくると高巻きは厳しそうだ。上の滝は?

岩がボロボロに剥がれるので、なかなか神経を使うがロープなしで登る。

沢全体が風化した花崗岩の岩肌で、両岸ともザレザレの急斜面だが、沢床は滑床が続き、明るく、きれいな沢だ。

逆相のナメの大滝で水流上は難しく、左側のグズグスの斜面を登る。岩がボロボロに剥がれるので念のためロープを出すが、支点が取れないのでリードは厳しい。この滝の上にポイントとなる大滝が?

 

 

 

 

この沢の遡行ポイントとなる大滝が正面に。

右側の水流沿いを上部の落ち口に向かって上がる。階段状で難しくないが高度感があり、岩が脆く支点も取れないので慎重に上る。写真には見えないが、水流を浴びて登った先はツルツルのナメなので、むしろこちらの方が厳しい。中段からそのまま直上するルートも登れそうだが、逆相のぼろぼろの岩肌なので、水流沿いを登った方が簡単だ。

時間切れで、大滝上のCo1760付近右岸枝沢から右岸尾根にあがる。

右岸尾根はルート取は難しいが地図読みを兼ねてP1089付近の久渡沢橋付近に下る。(休憩1回を入れて約2時間10分)